質問:車できれいな水道水を飛散させた場合は「泥はね運転」に該当するか?

道路交通法第 71 条の一で以下のように規定されています。

第七十一条  車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
一  ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。


上記に違反し、水たまりの泥水などを周囲の歩行者にかけてしまった場合は、いわゆる「泥はね運転」として、6,000 円 (普通車の場合) の反則金が課せられることになっています。
自動車学校などでも泥はね運転をしないように注意するよう教わります。


ところで、上記条文には「泥土、汚水等を飛散させて」と記載されていますが、「泥土」とは泥や土、「汚水」とは雨水や住宅・工場などから排出される汚れた水のことを意味するものと思われます。いずれにしても、人の衣服などに付着すると汚れてしまうようなものを飛び散らしてはいけないという意味のようです。


ここで当然ながら以下のような疑問が生じる方も多いのではないかと思います。

「泥水」ではないとてもきれいな水 (例: 水道水または蒸留水が、きれいに清掃された道路のアスファルトの窪みに溜まっている場合) の上を自動車で走行し、そのとてもきれいな水を周囲の歩行者にかけてしまった場合であっても、「泥はね運転」となるのか?
衣服に付着した後に乾燥させれば全く汚れが残らないような水をはねた場合は「汚水等」を飛散させたことにならないので、本条文を適用することができないのではないか?


この疑問は自動車学校で教本を読んでいるときに生じたものですが、教官や他の人に聞いてみてもはっきりとした答えがわかりませんでした。


ところが、最近、執務資料 道路交通法解説という道路交通法に関する判例を大量に載せている警察職員向けの参考書を読み、これによると、「水道管が破裂して吹き出している水道水を跳ね上げた場合も違反となる」旨が記載されていました。
結論としては水道水または蒸留水などのとてもきれいな水 (汚水ではない) であっても、それを飛散させて歩行者等にかけてしまった場合は違反となる可能性が高いということがわかりました。
さらに上記の本によると「泥土」とは「泥」「土」のほか、「石」(恐らく小石のこと) も含まれるようです。つまり、砂利道で小石をはねあげて周囲の人にかけると違反になるようです。