筑波大学学生宿舎 インターネット接続問題の続き

  • 昨日は、色々なコメントをいただき、ありがとうございました。

学生宿舎にいかにして高品質なインターネット接続環境を安価で提供すれば良いだろうか、ということについて、学生数人で議論をした結果、良いアイデアを得ることができた。具体的な方法は秘密だが、このアイデアが具体化すれば、以下のような結果を得ることが出来る。

  • 提供形態
    • 学生宿舎の敷地内およびその周辺エリアをカバーすることのできる無線 LAN サービス。
    • ユーザーは IEEE802.11b 無線LANカード (最近は3,000円くらいで買える) を付けたノートパソコンやデスクトップパソコンなどからインターネットに接続できるようにする。
  • 通信品質
    • アクセスポイントごとに、最大 2.0Mbps 程度は出ると計算できる。
  • 価格
    • 1 ユーザーあたり月額 1,000円 程度徴収することができれば、維持可能だと思われる。
    • 常時接続(ベストエフォート)
    • 決済方法については、学生にも利用しやすいように、クレジットカードのみではなく、コンビニ支払いなども簡単に可能にする。
    • ユーザー認証は、MAC アドレスごとのアクセスリストによる。MAC アドレスの変造を防止する別の技術的対策を行う。
  • アクセスポイントとインターネットとの間の通信回線
    • 宿舎に住んでいる人に協力をしてもらい、各棟に3台〜4台程度、無線 LAN のアクセスポイントを設置する(普通に部屋の窓際に設置してもらえばよい)。これだけで、無線 LAN エリア的には宿舎全体をカバーできるはずである。(事前に実測実験を行うべき)
    • 無線 LAN アクセスポイントの合計数は、30〜50程度になると思われる。宿舎のすべての部屋に電波が届くことを保証することはできないが、大抵の場合は届くという状況を目指す。
    • 各無線 LAN アクセスポイントの集合体はいくつかのプライベート IP ネットワークに分割されており、別の場所に設置したNOCとの間で IP 通信が可能にする。
    • NOCでは、無線 LAN 網に接続された PC とインターネットとの間にいくつかの NAT を設置し、負荷分散を行う。
    • NOCとインターネットとの間の通信回線容量は約 50Mbps 程度。
    • 各部屋のアクセスポイントとNOCとの間の通信回線は、有線ケーブルを敷設させてもらうことは不可能に近いので、別の方法について検討した。その結果、有力な方法が見つかった。
  • その他
    • 独自に開発した L2 における暗号化付き VLAN 技術を併用してセキュリティを強化することができるようにする。

以下のような検討課題がある。

  • 機材設置協力者の募集方法
    • 宿舎内の共用部分 (屋上や廊下、屋外など) には、我々は無断で通信装置を設置することはできない。設置許可や配線の敷設許可を得ようとしても、昨日の日記に書いたような現状があるので、まず不可能であろう。また、電力供給の問題もある。
    • そこで、必然的に無線 LAN 通信機材を設置する場所は、宿舎の個室内ということになる。電波的には、部屋の窓側に設置するのが最も良い。電力の供給についても、電気代はその部屋の個人が支払える範囲内であろう(消費電力は少ない)ので問題にはならない。
    • この方式で無線 LAN エリアを拡大していく場合、すでに宿舎に入居している人に協力してもらって、一定間隔ごとに窓際に無線 LAN 装置を設置してもらう必要がある。また、通常の無線 LAN アクセスポイントとは異なった処理を行うパケット制御装置も別に開発し、無線 LAN アクセスポイントと共に設置してもらわなければならない。(玄人志向とかが出している PowerPC 搭載の超小型 PC のようなものに独自のプログラムを組み込むと良い)
    • これらの機材を設置してくれる人には、いくらかの謝金を支払うのが良いだろう。また設置に協力した人は、無条件で無料でインターネットが利用できるようにする。
  • 宣伝方法
    • 同一の ESS-ID (たとえば "TSUKUBA_LAN" 等) でローミング可能にした複数の無線 LAN アクセスポイントを宿舎エリアに設置することにより、誰かが宿舎地区付近で無線 LAN 付きノート PC などで ESS-ID の一覧を表示すると、必ずこの ESS-ID が見つかるようにする。WEP はかけないので、簡単に接続することができる。
    • したがって、特に大規模な宣伝などはしなくても、ユーザーは着実に増えるのではないだろうか。
  • 運営形態
    • 運営形態をどうするか?
    • 選択肢としては、①個人で運営する、②筑波大学情報学類のプロジェクトとして立ち上げ、非営利に運営する、③ソフトイーサ社として運営する、 の3つがある。
    • ①は費用の問題で非現実的である。②か③は選択可能である。
    • ③の場合、ユーザーからは月額 1,000 円程度の料金を徴収しないとやっていけないが、現状宿舎でのインターネット接続サービスが月額 5,000 円ほどするのに比べれば、大変良いであろう。
    • 目的は、宿舎に住んでいる学生の快適なネット接続を実現するためであって、サービスを継続して運営していくことができる程度の収益が得られれば、特に大きな利益は望まないことにする。
  • 規則の問題
    • ③として営利的に行う場合、宿舎内で営利目的の営業を行うためには、宿舎を管理する財団法人の許可が必要らしい。しかし、昨日書いたような現状のため、そのような許可が与えられることは非常に難しい。
    • そこで、無線 LAN サービスの対象として、必ずしも宿舎内に住んでいる人のみを対象としている訳ではなく、公道を挟んだ近所のアパートや学生マンションなど(筑波大学外)にも無線 LAN の電波が届くようにして、宿舎付近の住民を対象としたものであるという方針を取ると良い。