NTTドコモYRPセンター見学会

softether2005-03-11

昨日は、筑波大学情報学類のインターンシップ推進委員会主催の、
NTTドコモYRP研究開発センター見学会&OB懇親会
に参加した。場所は、YRP (横須賀リサーチパーク)。http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/rd/
実は、ちょうど3年前の4月、筑波大学を見学してACな先生と話した翌日、同センターを見学しにわざわざ東京から変な電車でYRPまで来たのだが、それからもう3年も経つのか。
ドコモ研究所はとても懐かしかった。

大学からドコモ研究センターまでの移動

午前7時50分、第三学群集合。
参加者人数は、定員は50人だったらしいが、なんと11人しか集まらなかったという。そのため、当然バスはマイクロバスだろうと思っていたが、何と普通に観光バスが来た。大学と横須賀との間の往復で、1人あたりいくらかかったんだろう。流石天下の筑波大学
定員50人の観光バスを少人数で利用するため、普段はできないようなことを色々試す。中央の床に寝てみたり、イス4人分占領して横になったり。
行きは、なぜかバスガイドがテレビをつけた。朝のニュースをやっていて、株価のニュースになって、なんか『三菱マ』とか書いた株価のグラフが出てきた。バスの中で、誰かが「あっ、三菱マテリアルだ」などと叫んだ。

ドコモ研究所内部探検

木村先生の計画だと、大学から横須賀まで4時間かかることを想定していたらしいが、実際には2時間10分くらいで着いてしまった。ドコモの研究センターの一号館に入って、そこから2時間くらい自由行動(!)となった。
入館証をもらったが、「とんでも無い行動はしないように」と事前に先生が注意していた。そこで、ソフトイーサ社員3人で研究所内を探検することにした。
まず、いきなり階段を降りて地下へ行った。するとなんとそこにはスポーツジムが。すごいすごい。大企業の福利厚生は完璧。でも良く考えたらソフトイーサ社でも近くの体育専門学群かどこかで申請すればトレーニングくらいできるような。もっとも、誰も運動などしないだろうけど。
次に、移動機開発部とか書かれた階へ行った。へんな電波暗室みたいなドアの前に、
『商用FOMAを持っている場合は、電源をOFFにしてから入れ!』
というような貼紙が、大量に貼られていた。中に実験用の基地局でもあるのだろうか。同様に、中にある実験用のFOMA端末を外に持ってくると、色々ヤバいことが発生するのだろうか。
かっこいいエレベータがあるので、乗って最上階へ行く。景色は良いが、総合研究棟Bのベランダからつくば市内を見渡すのには叶わない。YRPも筑波大学同様、周囲はほとんど田舎のような所で、車が無いと終わっとるような気がする。
まあ筑波大学での生活に慣れた人とかがここで仕事するのは大丈夫だろうけど、都心の大学の学生などが卒業していきなりこういうところに就職したら、戸惑うだろうなぁ。

洗脳ビデオ

3年前に見たときは、『ドコモは素晴らしい。最高である。』などといった宣伝ビデオを変なマルチメディア室とかいう部屋で、しかも1人だけで30分ほど見せられた記憶があるのだが、今回はそういうのは無かった。
その代わり、「無響室」を見学することができた。説明員曰く、自然界ではあり得ない静寂を実現する環境で、ここでずっと研究している人は、終に精神に異常をきたす らしい。だが、我々ソフトイーサ社員はすでに精神に異常が現れているので、問題無い。

展示ホール

研究所1階の展示ホールの見学。色々面白おかしな展示物に触って回る。
体験用FOMA端末が置いてあった。しかも8台くらい。全部、FOMAカードが入っていて、電話ができる。とりあえずテレビ電話で遊んでみる。自分もFOMAを使っているが、(FOMA持っている友人も多いが)残念ながら日常生活でテレビ電話を使ったことは皆無だし、使っているという人もほとんどいない。
あと、裏技でFOMAの待ち受け画面で 『*#06#』 という裏コマンド(全FOMA・3G端末対応)を入力した画面のまま置いておいて遊ぶ。

筑波大学情報学類OB対談会

筑波大学情報学類出身で、現在、ドコモで研究開発をしている社員の方3名登場。2人がなんとネット研出身。1人はアンテナ研。1時間の間、質問大会。マイクを回して好きな質問をする。
「技術的なことから、就職についてまで、どんな質問でも答えられます。」 と言うので、学生が色々変な質問をしてみる。

以下は、面白い質問の抜粋。
ドコモ社員の回答も興味深かった。
内容は来客の学生11人と社会人3人の前で討論形式で回答していた上、オフレコとか、秘密にすべきとか、そういう話や雰囲気は全く無かったため、見学リポートとして Web 上で掲載し続けるのに問題は無いと思うが、一応、一部伏せることにした。

  • 学生:FOMA 端末のメール機能で、iモードサーバーと端末の間の通信プロトコルは、やはり POP3IMAP を使っているのか?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>
  • 学生:GRIMM (従来のiモードゲートウェイ) は神奈川にあったが、それが CIRCUS にシステム移行したという。地理的に分散されたか?
    • ドコモ社員:分散されている。複数の地域にあり、地震などで一箇所が停止しても大丈夫である。
  • 学生:基地局 (BS) 間の通信方法は?
    • ドコモ社員:昔は BS 間の通信はほとんどが専用線であったが、これでは NTT 本体に<問題がありそうなので伏字>そこで、最近では BS 間をマイクロ波を使って直接データ伝送することが増えている。特に、田舎などはその方式が多い。
  • 学生:ドコモは、携帯電話端末の発信時などで、ユーザーの位置情報のログをとっているのか?
    • ドコモ社員:全端末について、ログをとっている。すべて記録されている。
  • 学生:位置情報のログは、通話中でなくても、端末の電源が入っていて待ち受け状態にあるだけでも記録されているのか?
    • ドコモ社員:すべて記録している。警察などの要請によって、位置情報・移動履歴などを開示することもある。悪いことをする場合は、<問題がありそうなので伏字>。
  • 学生:FOMAネットワークはデータ通信以外の音声通信もすべてIP化されているのか?
    • ドコモ社員:まだIP化はされていない。専用のプロトコルを使用している。
  • 学生:携帯電話ネットワークで障害が発生した場合など、自動的にルーティング調整を行うプロトコルは、IPでの標準のものを使っているのか?
    • ドコモ社員:使っていない。独自開発している。
  • 学生:ドコモ本社は、昨年度のクローン携帯騒ぎの際、報道機関に対し「クローン携帯は技術的に絶対に不可能である」と主張しているようだが、技術的に絶対に不可能ということは無いのでは?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>
  • 学生:現在のmova端末では、確かにセキュリティは高められているかも知れないが、mova の初期の端末(数年前のもの)のセキュリティは弱く、クローンのための書き換えが容易だったりしないか?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>
  • 学生:では、携帯電話端末の識別符号の書き換えは可能なのか?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>
  • 学生:ということは、携帯電話のセキュリティは実はそれほど高くないが、それを試す人が少ないのでセキュリティが保たれているというのか?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>
  • 学生:FOMAの認証におけるチャレンジ&レスポンスや公開鍵アルゴリズムに使っているビット長は、それほど長くなく、現在のコンピュータで解析されてFOMAカードのセキュリティが破られる可能性が高いのでは?
    • ドコモ社員:<問題がありそうなので伏字>