PacketiX VPN 4.0 に搭載される OpenVPN サーバー互換機能、Microsoft SSTP サーバー互換機能、ダイナミック DNS 機能の設定画面

PacketiX VPN 4.0 には、OpenVPN サーバー互換機能、Microsoft SSTP サーバー互換機能、ダイナミック DNS 機能などを搭載したいと考えています。
以下はその開発中の設定画面です。


なお、上記の機能は UT-VPN (オープンソース版) にも移植される予定です。

「宇宙人からの攻撃を想定したマニュアル」を内閣官房と防衛省に開示請求したらこうなった

宇宙人からの連絡・攻撃があった場合の危機管理マニュアルは政府に存在しますか?

最近、『行政文書開示請求手続き』が大変面白く、これは AC な自分にとってはとても役に立つ制度だと気付いたので、色々な文書について『行政文書開示請求手続き』による請求をしています。


行政文書開示請求手続きでは、文書の概要を文字を記載することである程度特定することができれば、文書のタイトルや作成日などを知らなくても、「そのような文書が果たして行政機関に存在するかどうか」について各行政機関の情報公開担当者の方が調べてくれます。


たとえば、以下のような文書が日本国政府に存在するかどうかというのは、善良な国民であれば誰でも大変関心がある事項だと思います。

我が国に対し、将来において、万一、宇宙人 (地球以外の場所を生活の本拠とする人、または同等程度以上の能力を要する生物。) から電気通信その他の方法により連絡があった場合 (宇宙人からの連絡であることが確実でないものの、その疑いが強いものを含む。) または領域侵犯あるいは武力の行使等があった場合における対応方法を定める危機管理マニュアル等の文書。

このような文書が果たして政府に存在するか、あるいは存在しないか、というのは、問い合わせてみない限り分かりません。
問い合わせるために必要な作業は、具体的には、以下のような書式 (書式の Word ファイルは各官庁の Web サイトに置いてあります) に必要事項を記入し、1 件あたり 300 円の収入印紙を貼り付けて官庁に郵送するだけです。

各行政機関の Web サイトで下調べをした結果、上記のような「危機管理マニュアル」を整備する担当の行政機関の部署は「内閣官房 (危機管理センター)」と「防衛省」であると判断しました。そこで、各行政機関の Web サイトからそれぞれの役所の責任者の役職名と情報公開担当の住所を調べて、そこに郵送しました。

内閣官房 (危機管理センター) には宇宙人からの攻撃を想定した危機管理マニュアルは存在しない

行政文書開示請求を出してからしばらくすると、電話がかかってくることがあります。今回も、内閣官房の情報公開担当者の方から電話がありました。

電話の内容は以下のような感じです。

「えー、先日開示請求書をお送りいただきましたが、その中に書かれていた行政文書のですね、我が国に対し、万一、宇宙人 (プッ、という笑い声) からの連絡があったときの危機管理マニュアルというものが、私も本当にあるかも知れないなと思って、一応、内閣官房副長官に聞いてみたんですが、『無い。』と言われてしまいました。それで今回はどうもそのような文書は存在しないということですが、文書不存在による不開示通知をお送りしましょうか? それとも手数料の 300 円の収入印紙が勿体ないということでしたらキャンセルということで開示請求書をそのまま返送いたしますが?」

なお、行政文書開示請求に関して行政機関の担当者の側から請求者に対して電話連絡があることはよくありますが、毎回おおむね大変丁寧でわかりやすい対応であり、特にやっつけ仕事でやっているような感じがしたことはありません。色々聞くと、ある担当者は、1 日あたり数件、年間 1,000 件程度もの請求を処理しているそうです。ほとんどの役所では、専属で数名の情報公開担当者が割当てられているようです。

電話の後、しばらくすると、以下のような「行政文書不開示決定通知書」という紙が届きます。これには、電話で事前に連絡いただいたとおり、「当該行政文書を作成または取得しておらず、保有していないため。 (不存在)」として不開示とすると明記されています。

行政機関は、この「行政文書 (不) 開示決定通知書」に虚偽の内容を書くことはできませんので、必ず以下のいずれかの結果が記載されることになります。

  1. 全部開示
  2. 一部不開示 (一部に秘匿しなければならない情報がある)
  3. 全部不開示 (全部に秘匿しなければならない情報がある)
  4. 文書不存在 (そもそもそのような文書は作成・取得していない)
  5. 文書の存在・不存在すら非開示 (文書の存在・不存在を明らかにすると秘匿の意味がなくなる場合)


今回の場合は、上記の「4. 文書不存在 (そもそもそのような文書は作成・取得していない)」が回答されましたので、文書は存在していないということが判明しました。もし、「5. 文書の存在・不存在すら非開示」が回答された場合は、そもそもその文書が存在しているかしていないかという情報を秘密にすることを行政機関の長が決定したということになりますが、今回は 5 ではなく 4 ですので、本当にそのような文書は存在しないということで一応は結論付けることができます。

防衛省にも宇宙人からの攻撃を想定した危機管理マニュアルは存在しない

同様に防衛省に対しても同様の危機管理マニュアルの開示を請求しましたが、以下のような回答が帰ってきました。防衛省の場合は、電話連絡がなく、1 ヶ月弱で文書のみが突然郵送されてきました。

内閣官房と同様に、防衛省からも上記の「4. 文書不存在 (そもそもそのような文書は作成・取得していない)」が回答されましたので、少なくとも内閣官房防衛省の 2 つの行政機関には『宇宙人を想定した危機管理マニュアル』という類の文書は存在しないということがはっきり分かりました。


その他の行政機関に対しては、未だ同様の行政文書の開示請求は行っていません。そのため、他の官庁 (たとえば、警察庁?) には対宇宙人の危機管理マニュアルの類が存在する可能性は残されています。しかし、内閣官房防衛省のいずれにもないとなれば、他に存在する可能性はとても低いのではないかと思います。もしかすると、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 などにはそういったものがあるのかも知れません。独立行政法人も行政文書開示請求と同様の制度の対象となります。興味がある方は請求してみてください。


このように、行政文書開示請求の制度を利用すれば、国民は、ある特定の内容の目的・内容の文書が存在しているかしていないかを調査することができます。存在している場合は、原則として、その内容のコピーを受取ることができます (コピー代金、手数料、送料が別途かかります)。そして、受取った文書のコピーは、第三者に開示したり Web サイトで公開したりすることもできます。

AC な皆さんはどんどん行政文書開示請求をやりましょう

『行政機関の保有する情報の公開に関する法律』 を活用すれば、国民は行政機関の保有している行政文書を開示請求することができます。(開示請求にかかる手数料は前払いしなければならないので、無料でいくらでも開示請求できるという訳ではありません。)


行政機関は、開示請求があったときには、原則として 1 ヶ月以内に、文書の存在有無を確認し、存在する場合は全部開示するか、一部開示するか、全部不開示とするか、を選択して回答しなければならないことになっています (行政機関は、必ず回答をしなければならず、請求を放置することはできない)。


行政文書開示請求をするために、理由を明らかにする必要は全くありません。単に純粋な興味本位で、行政機関にどういう文書が存在しているのか知りたい、または文書の内容を見てみたい、と国民が考えるのであれば、それだけで開示請求をして差し支え無いのです。興味本位であっても、行政機関の内部的な活動内容について多数の国民が常に関心を持ち続けるのは、それはそれだけで国全体にとって有益なことであります。


行政文書開示請求の手続きは、郵便だけで素人でも簡単にできます。前払いする手数料は、郵便局やコンビニで購入できる収入印紙で支払うこともできますから、自宅や会社に居ながらにして手続きが可能です。このような便利な制度であるにもかかわらず、現在は、開示請求手続きの存在は新聞記者、ジャーナリスト、政治的活動家などの特別な人々にしか知られて折らず、国民の間には広く知られていないように思われます。

もとより日本人には行政機関というのは、お役所体質で面倒くさい手続きを要求してくる非生産的な組織だからどうしても必要な場合以外は積極的に関心を示さず、常日頃はできるだけ距離を置いておきたいという考え方が定着しているようです。このことが、一般人による興味本位での開示請求手続きがあまり盛んでないことの理由であると思われます。

せっかくこの便利な行政文書開示請求の仕組みがあるのですから、ぜひ AC な皆さんも、試しに 1 つや 2 つ思い付いた文書について開示請求してみてください。費用は 1 件につき 300 円かかりますが、コーヒー一杯分だと思えば、それほど高くないと思います。色々なことに関心を持つ AC な国民から、日々、多くの行政文書開示請求が行われれば、行政機関は自らの業務が常に AC な国民によって監視されているのだという意識を強く持つことになり、ひいては国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することにつながることになります。

今日は Windows 95 のインストールを諦めて Windows 7 に戻しました! (ただしアラビア語版)

先日の日記に書きましたが、Windows 7 を消して Windows 95 をインストールしようとしたところ、PC が起動しなくなってしまいました。昔購入した Windows NT 3.51 をインストールすることには成功しましたが、やはり、Windows 7 でなければまともに仕事ができないことがわかりました。


そこで、本日はパソコンを Windows 7 に戻すことを決意しました。しかし、せっかく苦労して Windows 95 を入れてうまく動作せず、さらに苦労を重ねてなんとか Windows NT 3.51 を入れて仕事にならないことが判明したというような苦労をしましたので、単に日本語版の Windows 7 をインストールして元の状態に戻したとしてもそれでは何かもったいない気がします。


せっかく Windows 7 に戻す訳ですから、ここは「外国語の勉強」も兼ねたいと思いました。
「外国語版の Windows 7」 をインストールし、毎日その「外国語版の Windows 7」を無理矢理使えば、最終的にはその外国語をマスターできるのではないかというアイデアです
。昔、英語版の Windows をずっと使っていたら英語の読み書きが少しは高速になった気がしますので、きっとこのアイデアは効果があるのでしょう。


さて、「外国語」の勉強といっても漢字が使われている中国語など、我々日本人がある程度勉強すれば何が書いてあるのかわかるようになるような言語では、満足度は低いと思われます。そこで、ここは思い切って、最も高い難易度であると思われる「アラビア語版の Windows 7」をインストールしてみました。
これで毎日パソコンを触っているだけで、何も努力しなくてもアラビア語が読み書きできるようになることは間違いありません!


Windows 7 アラビア語版の DVD-ROM からコンピュータをブートすると、以下のような画面が出てきました。
いきなり難易度が高すぎる気がします。特に「次へ」ボタンが左側に表示される (普通の言語版では右側に表示される) 点が大いに違和感があります。アラビア語圏では、昔の日本語のように、右から左に文字を書くので、UI もそれに合わせて左右逆になっているようです。


「アップグレードインストール」か「新規インストール」かを選択する画面ですが、全く書いてある意味が判読できません。しかし、アイコンで何となくわかります。アイコンって偉大ですね。


やっと Windows のインストールが開始されました。「○○ %」というところに表示される数字も変な数字で読めません。


Windows のインストールが完了し、「エクスペリエンス インデックス」の計測が開始されました。


ユーザー名とコンピュータ名を設定する画面です。日本語版や英語版の Windows 7 を何度もインストールしたことがあるので意味は覚えていますので問題にはなりませんが、これでは初めての人は絶対に正常にセットアップできないなと思いました。


Windows Update の設定画面です。これも同様に何が書いてあるのかさっぱりわかりません。


「日付と時刻」の設定画面です。数字が本物の「アラビア文字」ですので、やはり何が書いてあるのかよくわかりませんが、法則性を掴めば、かろうじて読める気もします。


ネットワークの設定画面です。アイコンでしか意味が推測できません。


「スタートメニュー」を開いた画面です。やはりアイコンでしか意味がわかりません。左右逆です。


マイコンピュータ」のドライブ一覧の画面です。これが開ければ、我々日本人でも何とか操作できる気はします。左右逆です。


「フォルダの設定」画面です。「拡張子も表示する」とか「隠しファイルも表示する」といった設定を ON にするにも何回も試行錯誤する必要があるので一苦労です。左右逆です。


Internet Explorer を起動してみました。Googleアラビア語版に接続されました。IE の設定画面も開きました。意味は日本語版の配置で覚えているので何となくわかります。左右逆です。


疲れたので Windows Media Center でビデオを観ようと思いましたが、操作方法がわからないのでやめました。


PacketiX VPN Client 3.0 をインストールしてみました。PacketiX VPN Client は当然 Unicode に対応しており、また、Windows 7 ではすべての言語版に MS UI Gothic やメイリオが入っているので、アラビア語版の Windows でも問題なく使用できます。
なんかこの画面だけ見ると、PacketiX VPN Client 3.0 の内部のみ日本語で書いてあるので、とても使いやすいソフトだと脳が錯覚を起こします。


バイスマネージャです。左右逆です。


結果として、アラビア語Windows 7 をインストールして、その中で無理矢理毎日の仕事をこなすことでアラビア語を習得しようとする試みは、事前知識がない場合、余りにも難易度が高すぎるのでまず無理なのではないかということがわかりました。


しかし、今回アラビア語版の Windows を起動して味わったこの絶望感は、これはたとえばヨーロッパやアメリカの人が、漢字が使用されている日本語や中国語のソフトウェアを起動してみて味わう絶望感とだいたい同じなのではないかと思います。




さて、アラビア語版といえども、Windows 7 のインストールは完了した訳ですから、今日からは Windows 3.1Windows NT 3.51 と比較すると随分快適に仕事ができるはずですね!


今日からは、毎日徹夜で、このアラビア語版の Windows 7 の UI のリソース文字列を、リソースエディタを用いて自力で日本語に書き換えていって快適に仕事できるようにしなければなりません!!
(やり方は、ソフマッブの人に「アラビア語版を入れたが、日本語の UI を表示させるためには、どうすればいいですか?」と相談したところ、教えてもらいました!!!)
منذ اليوم، ولدي لمعالجة مهمة لتحل محل سلاسل مورد من النسخة العربية من ويندوز إلى سلاسل اليابانية من أجل جعل ليتمكين القيام بعمل جيد. سوف يستغرق وقتي كله على حد سواء ليلا ونهارا لعدة أيام، ولكن يتعين علي أن أكون المريض،بالطبع. !!!

Windows NT 3.51 を仕事用 PC にインストールして仕事に使ってみる

昨日、最新の Core i7 の PC の Windows 7 を消して Windows 95 をインストールしようとしたところ起動に失敗したので、今度は代わりに Windows NT Workstation 3.51 をインストールして仕事環境を構築してみました。


Windows NT 3.51 はこのように Windows 3.1 とよく似た古くさい UI を持っていますが、完全な 32bit OS です。現在使用されている Windows 7Windows XP の先祖にあたります。
実は Windows NT 3.51 のリリースは Windows 95 よりも後です。
なんと Internet Explorer 5.0 や Outlook Express 5.0 も動作します。
ウインドウの外観 (外枠) は Windows 3.1 風になってしまいますが、アプリケーションの内部では Windows 95 と同一のコモンコントロールが使用可能です。


Office 97 Professional Edition のインストールも成功し、問題なく使用することができます。


Outlook 97 でメールの送受信もできます。


Visual Basic 4.0 をインストールして 32bit アプリケーションの開発ができます。


Visual C++ 4.2 をインストールして C/C++ と Win32 API または MFC を用いた開発もできます。


しかし、以下のような問題もあります。

  1. デスクトップがない。
  2. エクスプローラがない。
  3. ファイルマネージャは UNC パスに直接アクセスできない。
  4. マウスにホイールが付いていてもほとんどのアプリケーションで認識しない。
  5. IE が 5.0 までしか動作せず、ほとんどの Web サイトが見れない。
  6. もちろん VPN ソフトウェアも動作しない。
  7. 大抵のアプリケーションは起動しない。
  8. USB 機器が使用できない。


Windows NT 3.51 を数時間触って作業してから Windows 7 や XP などの OS に戻ると、天国のような感じがします。

今日は Windows 7 を消して Windows 95 を再インストールしてみました

こんにちは!
今日は PacketiX VPN のプログラミングを気合いを入れて進めるために、手元の Intel Core i7-2600K (3.4GHZ) のコンピュータを再インストールしてみました。


大学の連中が言うには、Windows VistaWindows 7 よりも Windows 95 のほうが軽く高速に動作するので、大変良いそうです。そこで、Windows 95 の CD-ROM を発掘してきました。


この Windows 95Windows 3.1 からのアップグレード版ですので、まずは、MS-DOS 6.2V と Windows 3.1 をインストールしました。MSCDEX の組込に手間取りました。



いよいよ Windows 3.1「ファイル マネージャ」から MSCDEX と OAKCDROM.SYS でかろうじて認識されている Windows 95 の CD-ROM ドライブを開いてWindows 95 セットアップ ウィザード」を開始しました。


















どうやら、Windows 95 は最新の CPU では動作しないようです。コンピュータが起動しなくなりました。ソフマップに持って行って診て貰わなければなりません!!
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;en-us;Q192841

Windows 8 で NDIS 5.x の LAN カードドライバが動かない場合の応急処置

Windows 8 の Consumer Preview 版が 2 月末に公開されたので、PacketiX VPN、UT-VPN が動作するかどうかの検証を行ったところ、Server、Bridge は問題なく動作するが、Client の仮想 LAN カードがうまく動作せず、全く通信できないことがわかった。


PacketiX VPN や UT-VPNVPN Client の仮想 LAN カードドライバは、NDIS 5.0 の規格で書かれている。NDIS 5.x は Windows 2000Windows XP, Windows Server 2003 におけるネットワークドライバの規格であり、Windows Vista 以降 (NDIS 6.0) と比較すると時代遅れになっている。しかし、時代遅れといっても Windows Vista 以降は NDIS 5.x をサポートするラッパーが搭載されていたので、実用上は問題がない。また、通信速度もほとんど変わらない。(NDIS 6.0 以降でなければ実装することができない機能もあるが、PacketiX VPN Client では使用していないので問題ない。)


しかし、PacketiX VPN の仮想 LAN カードドライバを NDIS 5.0 のまま Windows 8 CP で動作させようとしたところ、LAN カードの初期化などは問題ないものの、全く通信ができない現象が発生した。Windows 8 については Microsoft がまだ完全なデバイスドライバに関するドキュメントを公開していないため、何が原因であるか追求するには多大な時間がかかったが、どうやら、なぜか NDIS 5.x のドライバモデルのうち「Serialized Driver」モデルの場合にトラブルが発生するっぽい、ということがわかった。


Windows 8 でも NDIS 5.x は引き続きサポートされている。カーネル全体は NDIS 6.x を搭載しているので、NDIS 6.x から 5.x をサポートするためのラッパーが Windows Vista 以降にあるのだが、どうもこの部分に原因があるのではないかと思うようになった、Windows 8 CP の Debug ビルド (最適化などを OFF にしてビルドされた Windows の開発者向けバージョン) を使用して青画面をわざと何度も発生させながら WinDbg で検証した結果、NDIS 6.0 -> 5.x ラッパーの中のパケットのメモリ解放部分でラッパーが 2 重解放をしているように思われる挙動が確認できた。これによってメモリ内のデータ構造がおかしくなって通信ができないか、場合によってはブルースクリーンになってしまうこともある。


もちろん最初は PacketiX VPN Client 仮想 LAN カード側のバグであることを疑った。しかし、他社のまともな LAN カード (某社製) の Windows XP 用ドライバが NDIS 5.x なのでそれを用いて通信してみると、やはり、同様にブルースクリーンになってしまうので、NDIS 5.x を Windows 8 CP で使用するとバグが出るのではないか、つまり原因は Windows 8 CP 側にある、という結論に至った。


そこで、なぜ Windows Vista / 7 / Server 2008 / Server 2008 R2 では NDIS 5.x の PacketiX VPN Client 仮想 LAN カードドライバが問題なく動作したにもかかわらず Windows 8 CP では動作しなくなったのか (そして Windows 8 Developer Preview という 1 つ前のビルドでは問題なく動作したか) を考えた。Windows 8Windows 7 とは NDIS 周辺に何らかの重要な機能拡張や仕様変更が行われた可能性は低い。一方、Windows 8 では新たに ARM プロセッサをサポートすることになり、ARM プロセッサをサポートするため、これまでいいかげんに書いて動いていた Windows 7 以前の NDIS の一部のコードを、たとえばアライメントの問題に対応するために修正したり、最適化したのではないか。それが何らかの副作用を生じさせ、NDIS 5.x の古いドライバが Windows 8 CP でうまく動作しない (またはブルースクリーンになってしまう) 現象が発生している可能性がある。


そのため、Windows 8 CP で仮想 LAN カードドライバを動かすことができるようにする修正を考えた。もし今回の原因が Microsoft 側にあるとしても、リリース時までこのバグを直さない可能性もあるから、こちら側の仮想 LAN カード側でこのバグを踏まないようにする修正を考えるのが最も安心できる方法である。思い切って NDIS 6.0 へ移行することも考えたが、特に NDIS 6.0 を必要とする機能は使用していないにもかかわらず、インターフェイスを大幅に変更する開発をするのはコストがもったいないので、できれば NDIS 5.0 のままのドライバを維持して何とかしたいと思った。色々試した結果、NDIS 5.x の「Serialized Driver」モデル (現在のモデル) をやめて、代わりに「Deserialized Driver」モデルに変更すればうまくいくことがわかった。Deserialized Driver モデルを採用するにはいくつかの場所を非同期な処理に書き換える必要があったが、IntelNIC のドライバのソースコードを参考にして実装したら、動作するようになった。この状態で 1 週間以上、VM や実マシンを用いてテストをしたが、動作は不安定にはならなかった。


なお、Windows 8 CP で動作するバージョンの PacketiX VPN Client のベータ版は http://download.softether.co.jp/folder/vpn3_ipsec_beta/v3.04-7865-beta2_fix1-2012.04.05/ に密かに置いた。


PacketiX VPN の仮想 LAN カードドライバに関わらず、他の NDIS 5.x インターフェイスを採用している LAN カードのドライバの開発者の方は、Windows 8 CP でなぜか動作しなくなった場合は、ドライバモデルを「Deserialized Driver」に変更してみれば解決するかも知れない。

警察署に職務質問を自主的に受けに行ったらこうなった!

行政が提供するサービスのうち、何が一番好きかというと、個人的には、「警察サービス」が一番好きである。警察機能が行政の提供する役務のうち最も重要なものの 1 つであることに疑いはない。その他に、国が提供する重要な機能には、裁判所機能、(自衛的) 軍隊機能がある。これらが欠けると、物理的な安全が維持できなくなる。国が提供するその他の機能 (福祉、経済介入など) と比べて、警察、裁判所、軍隊の機能の重要性は計り知れないほど大きいと思う。


さて、昔、警察官の方に、警察では、市民に対して、免許の更新などのサービスの他にも、「職務質問」というサービスを提供しており、希望する市民は職務質問を受けることができるらしい、という話を聞いた。


そして、昨年の夏、インターネット上で目的もなく色々 Web サイトを見ていると、「俺は職務質問を受けたぞ」といった自慢のような記事や YouTube の体験ビデオなどを見つけた。
実は、私は、生まれてから今まで、警察官から職務質問サービスを受けたことがない。それらの記事を見て、うらやましいと思い、自分も生きている間に一度で良いから職務質問というサービスを受けてみたいと思った。


そこで、まず、職務質問というサービスを自主的に受けるにはどうすれば良いか調べてみた。Wikipedia の「職務質問」によると、「職務質問(しょくむしつもん)は、警察官が、不審な点のある者を呼び止めるなどして質問を行う活動」のことらしい。つまり、警察官の前で、不審な点のある者と認識されれば、職務質問サービスをしてもらえるかもしれない、ということだ。


しかし、東京などの都心と比較して、茨城県つくば市 (特に大学周辺) には、街を歩いたり自転車などに乗ったりしてパトロールしている警官はほとんどいない。そこで、警官が必ずいる場所はどこだろうか、と考えた。会社の建物から歩いて 5 分くらいのところにある「つくば駅前交番」(つくば駅の交差点にある) へ行けば警察官がいるに違いないと思い付いた。
ただし問題がある。たとえ「つくば駅前交番」の前で不審な行動をしたとしても、「つくば駅前交番」の所長とは知り合いなので、不審な行動と思われず、職務質問サービスを受けることが期待できなさそうである。そこで、所長が居ないと思われる深夜 (午前 3 時頃) につくば駅前交番へ行くことにした。



つくば駅前交番 (写真は「つくば市エリアガイドブログ」から引用。)


インターネットで調べたところ、警察官は、特に、半ズボンをはき、ジャージを着て、ポケットの中に何か色々入っているように見える人を、不審人物と判断する場合が多いらしい。できるだけ職務質問をしてもらいたかったので、試しに、半ズボンをはき、ジャージを着て、ポケットの中にそこら辺にあったコンピュータ用のメモリ (PC133 SDRAM 128MB など、不要なもの) を大量に詰めて膨らませ、午前 3 時ごろに、つくば駅前交番の前へ行った。夏の夜なので気温は温かい。このような時間はだれもつくば駅前の交差点を通らないから、人通りはほぼゼロである。


交番の中を見ると、警察官が 1 人座っていた。警察官は暇そうで、新聞か何か読んでいるようだ。そこで、交番の前の道路 (警察官に見える場所) で、交番の中に目線を向け、チラチラと警察官の目を見ながら、ポケットの中にある PC133 SDRAM 128MB を出したり入れたり、メモリの表面を眺めたりする行動をした。


ところが、交番の中の警察官はこちらに気がついて数秒間注視してきたが、しばらくしてまた机の上にある新聞か何かを読み始めた。数分してまたこちらを見てきたが、すぐに目線が新聞に戻ってしまう。どうやら、不審とみなされなかったようである。


そこで、ちょうど散歩をしたくなったので、ついでにより確実に職務質問サービスを受けることが期待できる場所まで散歩することにした。つくば駅前交番からさらに 5 分くらい南に歩き、「つくば中央警察署」の前まで行った。つくば中央警察署は、我々が免許の更新や国際免許の取得などの際によく行く警察署である。



つくば中央警察署 (茨城県の Web サイトより引用。)


つくば中央警察署の前の駐車場のところへ行き、そのあたりをぐるぐる回りながら散歩した (なお、警察署の敷地の中には入らずに、敷地の境界線の外側の歩道をぐるぐる回りながら散歩した)。やがて、警察署の中から警察官が 2 人出てきて、恐らく定期的なパトロールに出かけるために、駐車場に停めてあるパトカーに乗り込もうとした。その際に散歩している私に気がつき、「どうかされましたか?」と声を掛けてきた。私は「いえ、別に。」と言ったら、警察官は「そうですか。」と言い、パトカーに乗った。パトカーの中を見ていると、2 人の警察官がなにやら相談を初め、1 分くらいして、無線機で何かを (恐らく) 警察署の中の人に伝えた。そして、2 人はそのパトカーに乗ってどこかへ行ってしまった。


その後 5 分くらい警察署の前の歩道を散歩していたら、警察署の 3 階のこれまで真っ暗だった部屋に電灯が点き、しばらくして 7 人の警察官が正面玄関から走って出てきた。恐らく、先ほどのパトカーからの無線連絡を受けたのだろう。「警察署の前に不審な人がいる」というような無線に違いない。
7 人のうち 1 人は、「刺又(さすまた)」という犯人を捕らえる用具を持ってきた。



刺又(さすまた) (Wikipedia より引用。)


警察官が 7 人も走って出てきたのを見て、単なる職務質問サービスに必要な人数としては少し過剰な人数であり、申し訳ないという気分になったが、「これでようやく職務質問サービスを受けることができる」と喜んだ。


早速、走って近寄ってきた警察官のうち一番年配の 1 人が随分と怖い声で聞いていた。

警察官: 「こんな時間にここで何をしているのですか。」
自分: 「散歩ですよ。」
警察官: 「警察署の前で夜中に散歩をする人がいるわけないじゃないか。」
自分: 「警察署の前なら夜中でも不良が来ないから、散歩に向いていると思うのですが。」
警察官: 「あっ、そうか! 確かに!」
他の警察官: 「なるほど!」


そして 7 人くらい出てきた警官のうち 6 人はすぐに警察署の中に戻ってしまった。


刺又(さすまた)を持って出てきた一番若い警察官だけがまだ残っていた。まだ職務質問を受けるチャンスはある、と期待して、「その物騒な道具は何ですか?」と聞いたら、「はい、これは刺又と言いまして、怪しい奴を捕らえるための道具です。・・・ あっ、貴方が怪しいという意味ではないですよ!」と言われてしまった。
結局、職務質問サービスを受けることはできなかった。


いろいろ (こちらが) 質問すると、なんと、偶然にもその警察官の方は筑波大学の情報学類出身で (つまり自分の先輩)、しかも西川研究室 (データ駆動プロセッサというものを作っている)の出身であることがわかった。奇妙な偶然もあるものだ。



結局、未だにまともな職務質問サービスを受けることができずにいる。つくば付近の警察官の方で、まともな職務質問サービスを実施してもよいという方は、出向きますのでご連絡いただければ幸いです。