SoftEther.com の内容を模倣した Web サイトの登場

www.softether.com をほぼそっくりそのままの形で模倣した、謎の Web サイトが中国に出現していることについて、いくつかのメディアでも報道していただいている。

個人的には、模倣サイトの構成やスタイルシートなどがそっくりそのままで、非常に愉快である。しかし、SoftEther の開発・配布元としては、明らかに意図的に模倣している上、非常に誤解を招きやすいこの Web サイトについてはあまり歓迎できるものではなく、何らかの形で、誤解を招かないようなページに改訂することを求めたいと思っている。
この "VNN Client" というソフトウェアについて調べてみたが、SoftEther とはコンセプトが異なり、共通している部分は仮想的な LAN カードをインストールするという点ぐらいであろうか。VNN システムでは、現在はサーバーとなるプログラムは公開されておらず、ユーザーは vnn.cn というサーバーが提供するディレクトリサーバー? に一旦接続されて、そこから P2P の形で UDP トンネリングを行うようになっているのだろうか(まだよくわかっていない部分もある)。まとめると、Windows ファイル共有機能を UDPカプセル化した仮想通信チャネル上で動作させ、「自由・平等・匿名」的なファイル交換をすることを第一目標として作られたソフトウェアだと思われる。この点で SoftEther の、ユーザーが設置するスイッチング HUB を仮想化したサーバーソフトを中心とした VPN 方式とは、動作原理や用途が違うと思われる。
この模倣している Web サイトには、「開発日誌」というものがあり、そこに「私たちは2002年11月17日に北京郊外の香山という山に登ったときにこの仕組みを思い付いた」と書いてあって、記念写真まで添付されている。
単純にネタサイトとして見れば、www.softether.com を非常にうまくコピーしていて、製作者としてはとても楽しませてもらった。
それでも、明らかにスタイルシートや HTML 構成などを模倣しているのは、わざとよく分かるようにそうしているに違いない。何らかの意図があるのだろうが、どうも訳が分からないことばかりである。