ペンキ入り卵

http://www.asahi.com/national/update/0406/SEB200604060012.html
によると、

福岡市内の在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の施設に青いペンキを注入した卵をぶつけたとして、福岡県警は6日、同市の政治団体代表(34)ら男4人を軽犯罪法違反の疑いで福岡地検書類送検した。(略)
ペンキ入り卵は、キリで穴を開けて中身をストローで吸い出した後に、ペンキをストローで注入して作った。当初は「ペンキ入り風船」を計画したが、弾力があって投げにくかったという。


ACかな?

リコー IPSiO レーザープリンタの保守モードへの入り方発見!

格安でたくさん購入した、中古の Ricoh IPSiO レーザープリンタ (型番は NX720N) をいざ使おうとすると、電源を入れても、一切のボタン操作 (表面に付いている操作用ボタン) を受け付けない。画面に、「コノキーハロックサレテイマス」と表示される。
もちろん、HTTP の設定画面で操作パネルのロックは解除されていることを確認しても、やはり操作がロックされていると表示される。


よく考えてみると、これらのレーザープリンタは以前は某大学の計算機システムの一部として使用されており、print-serv という Solaris マシンを経由して印刷していた気がする。そこでよく調べてみると、大学で使用中だった頃は、Ridoc IO Gate という印刷枚数管理システムを経由しないと印刷ができないような設定になっていて、直接 PC から印刷命令を TCP/IP で送っても印刷してくれない設定になっていたようだ。
(もし、特定のプリントサーバーを経由して印刷させることによって、印刷枚数を制限しているのに、各ユーザーがプリンタに対して直接 TCP/IP 印刷命令を送信できてしまったら、意味が無い。)
ちなみに今は使われていない (というか Solaris で動く IO Gate というソフト自体が廃止になっているようだ)。

3年前、某大学に初めて入ったころは、当然 AC なので、自分のノート PC を計算機室に持ち込んで、直接プリンタに対して TCP/IP で印刷ジョブを飛ばしてみたりしたのだが、なぜか印刷されないので、なるほど、これは途中のスイッチかルータで、正規のプリントサーバー以外からのパケットをフィルタリングしているのだな と思っていた。しかし、途中のルータの設定を見ても、そういうパケットフィルタリング設定はされていなかったので、何か特別な仕掛けがプリンタ側にあって、印刷枚数管理サーバー (Ridoc IO Gate) からしか印刷できないようになっているのではないかと考えていた。


その後色々調べてみると、やはり Ridoc IO Gate という印刷枚数管理サーバーソフトがあり (http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/related_goods/iogate/)、これを導入した場合は、各クライアントマシンから直接印刷命令を送信してもプリンタ側でその要求を拒否し、Ridoc IO Gate からの印刷命令パケットのみを受け付けるという仕組みで IPSiO レーザープリンタの印刷枚数管理を強制しているということがわかった。


しかし、今手元に Ridoc IO Gate のサーバーとは切り離されてしまった Ricoh NX720N レーザープリンタが数台あり、これらを今すぐ再利用したいところである。


そこでリコーのサポートセンターに電話したところ、

「当該プリンタは Ridoc IO Gate 経由でしか印刷できないモードに設定されていると思われる。設定を解除するのは、『修理』と同じ扱いになるので、サービスマンによる修理が必要。サービスマンは有料で派遣する。」

というような回答が返ってきた。
「Ridoc IO Gate を経由せずに普通のプリンタとして使いたい。故障している訳ではないのに、設定を 1bit 変更するのにわざわざサービスマンに『修理』として来てもらうのはもったいないので、自分で設定変更するから、方法を教えて欲しい。」というように言ったところ、

「Ridoc IO Gate を使用するかどうかの設定は、お客様が変更することができない。設定変更には、サービスマンなどの技術者が操作する必要がある。」

というような回答が返ってきた。
「そのサービスマンは、設定を変更するための特殊な装置を持って来るのか?」と聞いてみたところ、

「いや、特殊な装置は必要ない。ただ設定変更には特殊な保守メニューで操作が必要で、その保守メニューに入る方法は秘密なので、お客様には教えられない。やはりサービスマンの派遣が必要。」

というような、マニュアルどおりの回答をいただいた。


格安で購入した中古のプリンタをリサイクルするために設定を 1bit 変更してもらうためだけにサービスマンに来てもらうのは、資源や時間 (サービスマンが来るための交通費や燃料・時間、そしてそれを待っている自分の時間) の無駄になるので、手っ取り早く自分で操作してサポートセンターが言う「秘密の保守メニュー」を表示して、Ridoc IO Gate 経由でなくても自由に印刷ができるモード (要するに、工場出荷時の状態) に設定変更してみようと思った。


しかし、やはりリコーのサイト (http://www.ricoh.co.jp/support/) などには「保守マニュアル」は載っていないようである。また Web で日本語で検索してもそれらしき情報はなかなか出てこない。


そこで、とりあえずプリンタを分解してみた。すると、中の CPU 基板を取り出すと、怪しげな 4bitのディップスイッチ が発見された。すべて片側に倒されているので、これを 1bit ずつ変更するごとに、CPU 基板をその都度プリンタに刺して電源を入れてみた。
しかし、考えられそうなすべてのパターンを試してみたが、一向に「保守メニュー」は表示されない。こんなことをしている間にサービスマンを呼んで設定してもらったほうが早いかも知れない。


だが諦めるのはまだ早い。次に英語で検索してみたところ、Ricoh NX720N はアメリカでは AP2600 という型番で販売されていることがわかった。
そこでアメリカの Web サイトをいろいろ探し回った結果、AP2600 ではないが、その上位機種の AP3600 の保守マニュアルを PDF で提供しているページを発見した。


これを参考に (日本語版と英語版とでは若干異なる)、Ricoh NX720N の電源を一旦切り、複数の「あるボタン」を同時に押しながら電源を入れる と、見事に「保守メニュー」 が表示され、32 bit 分の設定ビットを自由に変更できるようになった。このうち、最初の 8 bit をゼロクリアすると、Ridoc IO Gate 経由でしか印刷できないモードが消え、工場出荷時と同様の状態に戻った。

※ "リコーサービスマン" を名乗る人から「上記のボタンの組み合わせを書かれると売り上げが落ちるのでできればやめてほしい」などという嘆願のメッセージがあったため、上記を一部伏字にしました。もし具体的なボタン名などを詳しく知りたい方は、google などで「Service manuals documentation」と検索したりしてみて、ご自分で検索してください。



Ricoh 製のレーザープリンタは品質が良いので、中古のものも結構市場流通しているようだが、それを購入しても、以前の設定が残っていて操作ができなかったり、動作がおかしかったりする場合は、修理に出す前に、一度上の操作方法で保守モードに入って設定を見直してみると良い。
ただし、32bit 分のサービスビットというのを変な設定にすると、本体が壊れてしまうかも知れないので要注意。工場出荷時は全ビットが 0 のようである。


上記の問題解決に2時間ほどかかってしまったが、良い勉強になった。大抵の電子機器にはこういう隠しメニューがあるのだろうか。

もし、本来誰でも操作できる程度に簡単な機械の操作方法の一部をなるべく一般人に公開しないようにすることで、その操作が必要になった際に技術者を派遣することで利益を得るというビジネスモデルがあるとすれば、それは理にかなっていると思う。
しかし、本気でそれを行うのなら、たとえば「プリンターの数個のボタンを同時に押すとサービスメニューに入れる」程度に総当りで試せば数十分でわかる操作方法ではなく、もっと本格的に (たとえば、製造番号を公開鍵暗号方式 (楕円曲線暗号など) で暗号化したのを 6 桁くらいにして、サービスメニューに入る際にボタン操作で入力させるなど) 工夫しておけば良いと思う。
恐らくリコーくらい優秀なところのファームウェア設計者であればそれくらいのことは思いつくはずなのに、それをしていないということは、最初はこのボタンの組み合わせはパワーユーザーのためにマニュアルに記載する予定で、別に隠しておこうとは思わなかったが、製品ができた後になってこれを商材にしようというアイデアが思い浮かんだからなのかも知れない。


…… それで、中古品を復活させた結果だが、5年前の機種とは思えないくらい、大変高品質に印刷ができた。大変すばらしいメーカーだと思う。