京都府警ハイテク犯罪対策室で聞いてきた話

日本のハイテク犯罪 (といっても本当にハイテクな犯罪は少なく、たいていは上記で書いたような、簡単な犯罪) の捜査のニュースで、よく、京都府警ハイテク犯罪対策室というのが出てきて、結構有名である。PacketiX VPN を使って不正アクセスのようなことをした人をここが捜査して、逮捕したことがある。そのつながりで、ここに遊びに行って、そこの担当の方にいろいろ様子を教えてもらった。
それで、この京都府警ハイテク犯罪対策室にいる現場の人は、警察の中では結構コンピュータについて詳しい部類に入るが、それでも、実はあまり詳しくなく、事件の都度、その事件に関する技術知識を急いで調べて勉強するというような感じであるということがわかった。外から見ていると、ハイテク犯罪事件で、誰かが被害を受けて告訴してから、何か月も放っておいてそれから逮捕するというようなことがよくあるように見えて、なぜそんなに長い時間放っておいてから逮捕するのかというのが疑問に思えていた訳だが、どうやら、それは放っているのではなく、その間に、関連する技術について、新たに一生懸命に勉強するので、必然的に時間がかかるようである。
また、ファイル交換関係のソフトウェア等について、よくこの京都府警ハイテク犯罪対策室が摘発するので、この捜査室は何か政治的な意図を持って行動しているのではないかというような批判がネット等で出てくることが多いと思うが、京都府警ハイテク犯罪対策室の中で、何かそういう政治的な意図でもって警察の力を濫用して特定の領域について極端に取り締まりをするというような話は無いというような印象を受けた。もっぱらここにいる担当の人たちは善良であって、単に告訴があれば順番に無差別に処理しているだけだという感じである。政治的な戦略判断をしているようには見えない。もしそういう戦略を決めているところがあるとしたら、より上位の機関であって、京都府警ではないと思われる。
(一応、日記にこういうことを書いて欲しいと頼まれた訳ではない。)