6 年くらい前に見た TCP/IP の研究の記事

すでにタイトルを忘れてしまい、検索しても出てこなかったのだが、確か 2003 年頃に変な研究の論文があった気がする。
内容は、現代社会では事実上どの PC にも同一のチェックサムアルゴリズム (IP ヘッダの CRC のことか?) を有する TCP/IP スタックを有していることを利用して、他人の PC に何か複雑な計算をさせるという実験の話だった。
具体的には、TCP/IP パケットでチェックサム (16bit CRC) を誤ったパケットを相手に送信すると何も応答がなく、正しい CRC を持ったパケットを相手に送信すると必ず応答がある (例えば RST が返る) ことや、応答パケットも CRCチェックサムが付いていること、などを利用して、相手の PC の計算資源を無断で (PC 所有者に認識されることなく) 一部利用して目的の計算をすることができるかという実験だったと思う。
結果としては、確かに計算はできるが、そのために何万倍かの計算を自分のところで行わないといけないこと、および大量のネットワークトラフィックが生じること、などの欠点があるようだったが、コンセプトとして、第三者の PC がグローバル IP を持っていてインターネットにさえ接続されていれば、TCP/IP スタックが動いているだけで、その計算機の資源や電力を用いて小さな計算ができる、という点が大変面白いと思った。