宇都宮

といっても宇都宮先生 (筑波大学の変わった先生・退官) ではなくって、先週の土曜日の夜に宇都宮市に餃子を食べに行ってみました。


実は土曜日の夕方に、大学の AC 部屋に集まっていた 3 人くらいで、突然、


「よし、今から下館 (しもだて) に行こう!」


ということを言い出して、下館というつくば市から 25km くらい北に行ったところにある街へ行くことになりました。



別に下館に行っても何か面白いものがある訳でもないし、用事がある訳でもありません。
特に理由が無いのに「下館に行く」という大変 AC な行為なのですが、いざ下館に行こうとすると、廊下で別の人と会ったんですよ。

廊下で会った人:「どこかに出かけるのですか?」
自分:「今から下館に行くんですよ。」
廊下で会った人:「仕事ですか?」
自分:「いえ別に」
廊下で会った人:「へえ、何か用事とかですか」
自分:「いえ特に用事はないんですよ」
廊下で会った人:「じゃあなんで行くんですか」
自分:「よくわからないし用事も無いけどとにかく行くんですよ」
廊下で会った人:「!??」


というような謎の解説をしないと我々の「特に用事も無いのに下館という謎の場所へ行く」という高尚な目的が理解してもらえない (解説をしたとしてもやはり理解してもらえない) ということがわかった。


それで 1 時間くらい車で走ると確かに 下館 という街には着いたのだが、やはりよく考えると 特に別に目的も何も無く下館に来てしまったので特に何もすることがない。 当然の結果である。しかしそれだけでは面白く無いのでカーナビの地図を見ると、つくばから下館まで来た距離と同じくらいの距離をさらに走ると 宇都宮に着くらしい ということがわかったので、「では、宇都宮へ行こう」ということになった (ちなみにこの理屈で行くとどんなに長い距離でも「では行こう」ということになってしまう)。


かくして我々は宇都宮にたどり着いたのであるが、宇都宮に来たからには餃子を食べないといけない。
しかし到着したのがちょうど 午後8時ごろ だったのでほとんどの餃子屋は閉店準備に入ってしまっているようだ (だいたいの餃子屋は午後8時に閉まるらしい。やる気無いなぁ)。


というよりも、それ以前にそもそも宇都宮に来るという予定は無かったので、何も調べて来ていないので、餃子を食べるにはどこに行ったらいいのか皆目検討がつかない。ぐるぐるその辺りを走っていても全然餃子屋らしい店が目に入らないのである。


そこで我々3人は、


「これは国家的陰謀に違いない。」
とか
「午後8時に店が閉まるというのは、さては『戒厳令』が敷かれていて、夜になると街中を戦車が走るのだな。面白そうだ」
とか
「さては宇都宮は餃子が有名だというのは嘘の話で、我々3人だけが騙されていて、周囲の人たちがわざと『宇都宮は餃子が有名だ』という嘘の話を我々3人にこれまで話す等していたので、それを信じて宇都宮に来てしまったが、今頃周囲の人たちはぐるになって筑波大学の中に集まって、『うわ、あほや、本当にあいつらは騙されよった!』とか『陰謀成功 乾杯〜!』とかいって騒いでいるに違いない。」
とか


常人にはとても思い付かないような変な仮説を立てて楽しんでいたのだが、どれもあまり有りえないので、やはり探せば餃子屋の1軒くらいあるのではないかということになった。


するとちょっと先のほうに「餃子」と書かれたネオンサインが付いた看板が出ているのを見つけた。


「やった! あそこらへんに餃子屋があるに違いない。行ってみよう!」 ということで、そのネオンサインが付いた看板がある方向へ車を走らせた。


しかしネオンサインが付いた看板のある建物に近づくと、さっきまで「餃子」と書かれた看板が、いつの間にか「印刷」という看板に変わってしまっていたようだ。
さては狐にでも騙されたのかと思い、やはりこれは陰謀に違いないとかそういうことを考えてしまうあたりがまた AC なのだが、結局その近くをよく捜索したところ、「宇都宮餃子館」 という店がまだやっているのを発見し、そこに入ってちゃんとした餃子を食べて、満足してから筑波大学に帰ってきました。