TBS の筑波大学プラズマ研究センター長の解雇の労働裁判に関する報道番組についての私見

10 月 24 日 (土) に TBS の番組『報道特集 NEXT』で、筑波大学長照二 元プラズマ研究センター長を大学が 2008 年に解雇したという事案、および解雇を撤回することを求める労働裁判を長照二氏が同年に提訴したという事案に関する報道番組が放送された。確か 20 分 〜 30 分くらいの長さで、世間の注目を集めるには十分な長さであった。
これを受け、2 日後の 26 日 (月)、筑波大学本学職員の懲戒処分に係る報道についてを Web 上に掲載した。


番組の内容は、被告 (筑波大学) が一方的に間違っているというような印象を与えるものだった。

番組自体が全体的に原告 (長照二氏) に味方するような立場で構成されており、原告が正しく、被告 (筑波大学) のほうが悪いというような雰囲気の構成になっていた。取材先についても、原告や原告とつながりがある他の研究者などを中心としており、被告 (筑波大学) に対する取材の内容は出てこなかった。筑波大学側の言い分の資料としては公開されている文書が出てきただけなので、推測であるが、番組を作るにあたって、筑波大学に取材をしていないのではないかと思う。


また、番組では、あたかも、筑波大学が大学院生を利用してデータねつ造をでっちあげたり、わざと重要なデータをコンピュータから消したりしたのではないかというような、原告側の推測の内容がそのまま報道されている。被告 (筑波大学) 側の反論なしに一方的に原告の言い分だけを報道している番組であるため、その点に注意する必要がある。


この労働裁判はまだ判決が出ておらず、そもそも裁判になるくらいであるから両者とも均等に言い分があると思われる。
視聴者においては、この番組の内容のみを見て、一方的に筑波大学が悪いことをしているというような印象を持たないように注意し、また、裁判所の判決に注目することが妥当である。


なお、関係ないことだが、途中で、よく知っている場所 (大学の近くの天久保三丁目や、水戸地方裁判所土浦支部) が映っていて驚いた。